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「いま、なぜ希望をかたるのか」

 


「いま、なぜ希望をかたるのか」

大江健三郎氏の松山での講演会に

参加する機会をいただきました。

 

ノーベル文学賞を受賞する以前から、
ずっと大江氏の作品に触れてきた。
「真摯」という言葉は
このような方のために存在するのだ
と思いながら、全作品を読み通してきた。
若い頃からずっと・・・。
東京に居る時は講演会や
光さんのコンサートにも
参加させていただいて
まだまだお若かった頃の大江さんに
触れ合う機会が沢山あった。
私も年を重ね、大江氏もそれ以上に成熟され
聴き手に分かり易い言葉を用いて
ユーモア溢れる語りで
始終聴衆を笑わせていた。
以前とは趣の異なる講演会。
場所が松山だったせいだろうか?
戦後、大江氏が松山の高校に通うことになり
伊丹十三氏と出逢い、大江氏が好きだったという
中野重治氏と伊丹氏の父万作氏の交流を知り、
著作を読むことになった経緯
それらを面白おかしく語った後に
講演会の核心に触れた。
伊丹万作氏のエッセイの中で
「騙された者の罪」について書いてあるという。
伊丹万作氏は、騙された方にも罪があるという。
今回の原発安全神話を、無関心にも容認し、
原発事故後「自分たちは騙されていたのだ」と
声高に叫ぶ国民に対し
私達は、無感覚・無関心であるということを
反省しなければならない
そう大江氏は語る。
私達は、次世代の子供達に
「希望」を語ることが出来るだろうか?
これまで騙され続けてきた責任を取る
必要があるのではないか?
今すぐ「希望」を回復出来るとは言えない。
私達がこれまで営んできたような「普通」の環境を
未来の子供達にも受け継ぐことが出来るのか?
私達がその道を作っていかなければならない
そう大江氏は語る 魯迅の言葉を引用しながら・・・
『希望とは、
もともとあるものとも言えぬし、
ないものとも言えぬ
それは地上の道のようなものである
地上にもともと道はない
歩く人が多くなれば、それが道となるのだ』
反原発集会に集い、一人一人が歩くことによって
新たな道が出来てきた。
それは政治家達が考えもしなかった道。
私達は、自分たちの無責任さを、今ここで、
「希望」への道と転換することで
未来に生きる子供達に
いくばくかの責任がとれるのではいか?
そう語って講演会は締め括られた。
講演会後の質疑応答で
伊方原発を止める会の方からの質問。
「今の日本の教育制度の中に、
ディベートの制度がないことが
騙され易い私達を作り上げてしまったのではないか?」と。
西洋社会でのディベートの教育によって
議論を学ぶ、熟考するということには賛成するが、
どちらかのグループが勝敗するというしくみには、
賛成出来ない。
実際の社会でも、
勝敗を決めつけるようなディベートが行われている
二つの分かれたグループが、
一つの結論に達することもあり得るのではないか?
違った立場の人達が、お互いの意見を伝え、
議論を積み重ね、一つの結論に達することが、
理想の教育ではないか?と、大江氏は語る。
勝敗だけで決めてしまうことは、本当の議論では無いと。
星の王子様が三度書き直された箇所を引用し
第21章 狐が王子に色んなことを教え、
去る前に聞いた言葉「君にとって一番重要なことは・・・」
から始まるこの文章が
フランス語ではエッセンスと書かれているけれど、
日本語には当てはまる言葉を探せないと大江氏は言う
それは物事の本質という意味で使われる言葉で
「人の心を見る力」
「相手が何を望んでいるのか読み解く力」
だと狐は言う。
人間にとって、本質的に大切なことは
他の何事とも比較できない、
選ぶ事の出来ないもの
それは、次の世代の子供達に、
生きていさせてあげるということ
それが、私達がなすべき
本質的なことなのだと講演は締めくくられました。
コメント
所詮、この世は仮の世である。真っ当な世の中は、また別のところにある。
‘あるべき姿’ の内容は、現実にはない。
だから、実況放送・現状報告の言葉では語れない。

日本語には、時制がない。
日本語脳には、未来時制の文章に対応する内容が生成できない。

意思は、未来時制の内容である。
日本人が自己の意思を表す形式を持っていれば、もっと口数が少なくなる。
意思を表す形式がないので、歌詠みが多くなる。空念仏が多くなる。

‘それで、どうした’の問いには、答えが出せない。
自分自身の’あるべき姿’ に関する内容を持っていないからである。
つまり、論拠がない。それで、議論にならない。

未来時制の文章があれば、辻褄の合った未来の内容がはっきりと見えている。
未来時制の文章がなければ、一寸先は闇。日本人の未来に関する発言は、矛盾を含んで支離滅裂となる。
考えれば考えるほど不安でたまらない。

日本人は、未来に関する内容で団結できない。鬼も笑いだす。
だから、未来社会の建設に着手することもない。
現在 (現実) に関する内容で団結もし、争いもする。これは、この世 (世俗) における序列に基づく日本人の活動の原動力にもなっている。

http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://3379tera.blog.ocn.ne.jp/blog/

  • noga
  • 2012/10/21 10:42 PM
noga様コメント有り難うございます。
考えてみると、日本語は、確かに、未来時制の表現が難しい言語ではあると思います。しかし、今、ここで、私達が直面している問題に対して、真摯に立ち向かい、そこから新たな行動を起こすということは可能なのではないか?そう信じています。今、ここで、何が出来るのか?今後も模索していきたいと願っています。
  • MAGNOLIA
  • 2012/10/22 12:33 PM
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